【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
ビビッドブルー
8月27日、快晴。
沖縄の空は相変わらずビビッドブルーの鮮やかな色が広がり、永太の家のハイビスカスの赤が映える。
自然交流学習の全ての予定を消化した私は、飛行機で東京に帰る9月1日まで自由な時間を過ごすこととなった。
と言っても、観光地という観光地を巡ってしまった私は、三人がどこかに連れて行ってくれるのを楽しむしかないんだけど。
「悠莉!へーくいちゅんぞー!」
「はーい!」
今日は、澪ちゃんが同級生から得たらしい情報を元に、本島のうるま市で永太がバイトをしているというパスタ屋へ行くことになっていた。
『君達が来たら仕事どころじゃないでしょ』なんて言われて、これまで澪ちゃんも雅治も教えて貰えてなかったんだとか。
っていうか、エイサーの練習色んな時間に頻繁に行くんだなって思っていたけど、バイトをしていたなんて。
ちなみに、澪ちゃんはお家の美容室でたまに働いて稼ぎ、雅治も実家の酒屋のお手伝いで小遣い稼ぎをしているんだとか。
私も東京では遊園地でバイトをしているし、考えれば、皆がバイトしてても当たり前だよね。
「永太が爽やに接客しはるとこ笑ってやるんやっさー!」
「止めときなよ、そんなことしたら、雅治がパスタの具材にされるよ。」
私の返事に白い肌をサーっと青くした雅治は、頭を抱えてぶつぶつ何か言っている。
今日は、こちらも既に免許を持っている澪ちゃんが澪ちゃんママから借りた軽自動車で本島へ。
永太と違って穏やかな澪ちゃんだから、きっと安全運転だろう。