【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
永太のバイト先から帰った私達は、山入端邸の居間でダラダラと三人で過ごし、永太の帰ってきた夕方に、再び外に出る。
向かった先は、雅治の家。
帰るまでに、雅治のお祖父ちゃんの戦争の話を聞いておこうということになっていたからである。
…………っていうか、雅治の家がまた、大豪邸。小さな古城みたい。
何度か永太が家の前まで車で送ったことがあったけど、暗い時間だったからこんなにおっきいのは知らなかった。
「雅治ってお坊っちゃまなの?」
「言ってませんでしたっけ?雅治の家は酒蔵をしていてね。沖縄ではわりと有名ですよ。その酒の卸売りもしてるから、雅治は自分の家でバイトしてるの。」
今日のお昼、家の酒屋で手伝いしてるって言ってたから、小さな酒屋のイメージだったのに、私のほっこりイメージ返せ。
「酒蔵って誰が継ぐの?雅治ん家って兄弟多い?にぃにぃってガイドの仕事してたよね。」
「あー、それならなんくるないさぁ、なぁ、永太?」
自分の家族のことなのに永太に同意を求めた雅治。それに対して永太は眼鏡のフレームを指で持ち上げて口を開く。