【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「…さぁ、いい匂いがして来たね。ご飯が出来たのかな。永太も澪も、悠莉も食べて行きなさい。」



話を終えて、お祖父ちゃんはまた眩しい笑顔を向けると、御歳103歳だとはにわかに信じ難いその伸びた背筋で歩いて行った。



「あのお祖父ちゃんだもん。雅治が素直な子に育つ理由が分かったよ。」



私はお祖父ちゃんに会えて、話を聞けたことに嬉しくて、隣で鼻を真っ赤にしている雅治に笑いかける。



「わん、おじーぬ孫で良かった。わんもちびらしくカフーやっさー。」



この場所で、温かに育った雅治は自分の気持ちをストレートに言葉に残す。



「その幸せの中に、勿論俺達もいるんでしょうね?」



「当たり前やっしー!ウングトールムン、聞こっちやてぃんねーらんくとぅさー!」



聞くまでもなくそうだ、と永太の質問に恥ずかしがることもなく言い切れる雅治は、どこまでもまっすぐで、澄んだ男の子だ。



私も沖縄のこの島で、この場所で、皆に出会えたことを幸せに思うよ。
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