【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
雅治は日焼け対策をバッチリ終えると、ダダダーっと走り、急停止。その場にしゃがむとニカッと笑う。



「ユーリ!」



ブンブン、と千切れそうな勢いで手招きをするのでそちらに向かいしゃがむと、白い砂に混じって星砂が落ちている。



「わー!いっぱいある!拾わなきゃ!」



早速星砂を拾い始める私達に合流する永太と澪ちゃん。



「全く、そんなに焦らなくても星砂は逃げませんよ、寧ろ死んでますし。」



「え?死んでる?これ、何か死んでるの?」



「ええ。星砂の正体は有孔虫の死骸ですから。現世の死骸と共に、数万年前のものが混入している場合もあります。ロマンですねぇ。」



何がロマンなんだ。ロマン語るなら死骸だってこと言うなし。



まぁ、そんなこと言ったところで口では永太に敵わないのは学習済みだし、言い返さないで拾うのに没頭する。



拾った後の星砂は、昨日澪ちゃんが手芸屋さんで買ってきてくれた小さな瓶に詰めて、コルクで蓋をする予定。



「瓶ぬ中んかいマジュン小さな貝殻入れたらうじらーさんーあんに?」



「おー澪ちゃん、ナイスアイディア!」



一人だけ星砂を集めていないと思っていたら、澪ちゃんは米粒代の小さな貝殻を拾っていたみたい。



刺すような陽射しの中、私達は星砂を集めるのに、時間を忘れて熱中した。
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