【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
何とか私と雅治も瓶詰め作業を終わらせて、星砂の瓶を四つ並べて写メを撮る。



「あー、クヌ瓶を眺める度にうむい出すんやんやー。クヌ夏休みを。」



隣に座っている澪ちゃんが、穏やかな口調で言いながら、瓶を摘まみ、ゆったりとした動作で首を傾げる。



明日、このゆっくりと流れたようであっという間の夏休みが終わり、私は東京で過ごす日常へと戻る。



三人も、夏休み前の、私がいない自分達の日常へとそれぞれ戻っていく。



「なんか………ずっと続くと思ってたなぁ。」



ぽつり、と呟くと、向かいに座っていた永太が私の頭をぽんぽん、と優しく叩いた。



「しんみりするのは帰る時だけにしなさいよ。貴方が笑っていてくれないと、俺達だって悲しくなりますから。」



「うぬ通り!だぁんかい、同じ日本んかい住んでるんやっさー、いちまりん会いんかいはーれーるさぁ!」



どこまでもまっすぐで、大きく眩しい雅治は、大きな声で私に言う。



そうだ。笑って、笑って、泣くのは笑い泣きだけで充分だ。
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