【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「止めなさいよ今考えるの。考え事をしている悠莉は不細工過ぎて直視出来ませんねぇ。」



「んなっ!お前コノヤロー!最初から最後まで失礼な男だ!モテないぞチクショー!」



「残念ながらいなぐには困ったことがありませんから。……だいたい、貴方の取り柄はふらーなとこでしょ、寝て、夢に浮かんだ奴を選んどきなさいよ。」



これが優しさなのかなんなのか。私の気持ちを軽くしてくれようというのは伝わるけど、さらっと貶したからね。



「あーあ、悩んでるだけ無駄かな。悩みの種の一人は意地悪糞鬼畜だし、二人は後で可愛く寝ちゃってるし!」



「クスッ………そうですね。」



沖縄は、夕方になるとその時間だけ水彩画みたいな色になる。



その色に包まれて、私は重く考えていた気持ちを水彩絵の具みたいに、サラサラな水で溶かした。
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