【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
半泣きの私に対し、永太はやれやれ、と肩を竦めて溜め息を落とす。



そして、お気に入りのラルフローレンのスリッポンを履いた永太は、しょげてる私の二の腕を掴んだ。



「行くんでしょ、澪のところへ。」



いつから永太は私が澪ちゃんを好きなことに気付いていたのだろう。



もしかしたら、私が気付くずっと前から気付いていたのかな。昨日もそんなようなことを匂わせていたし。



「甘えて、いいの………？」


私の泣きそうな震えた声に対し、永太は優しげに微笑む。



「ダメだったらこんなことしないでしょ。俺の大事な澪の恋愛成就の為ですからね、仕方なく、アッシーにでもなってやりましょう。」



この男の鬼畜な癖に溢れ出る優しさは何なのだろうか。



「永太ァ…あんた、バファリンより優しい素材で出来てるんだね！」



「あーもー、鼻水垂らしなさんな汚い！大体、悠莉は甘ったれだからこそ悠莉でしょ、甘えときなさいよ。」



私の顔の中心に強めにハンカチを投げた永太。痛いけど、優しい意地悪だと思おう。



「さ、行きますよ。」



「うん……ありがとう！」



私の周りには、こうやって私を甘やかして支えてくれる人がいる。だから、私も甘ったれて、頼って、そして、大事な人に気持ちを伝えよう。
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