【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
高校を卒業した三人は、進路がそれぞれに違っている。



永太は東京本校の付属大学へ推薦入試で受かり、昨日から東京での生活を始めている。



澪ちゃんは言ってた通り、地元の美容の専門学校へ進学し、美容師の勉強を4月からする。



雅治はダイビングのインストラクターの資格を取るため、同じく地元に残り、専門学校へ進学するらしい。



で、永太の引っ越しの手伝いを兼ねて、皆で東京に遊びに来ているみたいだ。



私としても澪ちゃんと会えるし、嬉しいことなんだけどさ。



それをポロっとお父さんに話したら『夏の間お世話になったんだから家に呼びなさい』なんて言うもんだから、今に至る訳ですよ。



「ところで、悠莉の彼氏はどの子かな?」



お父さんは既にお酒のせいか据わったその目で、へろり、と三人の顔を見る。



…………絶対、それ知る為に呼んだだろ、このオッサン。



昔から、そんなに大した顔じゃないくせに『俺よりイケメンじゃなきゃ許さん』なんて言ってたお父さん。



………残念ながら、お父さんよりイケメンじゃない男がこの空間にいないから、何にも文句言えなそうだけどね。
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