【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「永太は、どうなの?私が好きって言えば言ってくれるんじゃなかったの?」



なんだか私だけ恥ずかしい思いをしている気がしてそう言えば、永太が眉間に皺を寄せる。



「態度で示してるじゃないの。分からないの?」



「分かんない。だから、言って。」



ホントは分かってる。永太が私を好きでいてくれてることは分かってるけど、悔しいから、分からないふり。



そんな私に永太は、溜め息をひとつ落とし、そして微笑んだ。



「一度しか言いませんから聞いてなさいよ。…………悠莉、かなさん。」



「……………え?かなさん?私悠莉だけど。」



ガッツリキメ顔で別の人の名前を呼ばれて思わずキョトンとしてしまう。



そんな私に、永太は眼鏡をキラリ、と逆光で光らせて、避ける暇もないスピードで頭突いてきた。



「いっ…………てぇぇ!はぁ!?意味分かんない!こんな時に別の人の名前呼ぶあんたが悪いでしょ!」



「バカじゃないの!名前なわけないでしょ!『かなさん』は沖縄で愛してるという意味です!」



キレる私に対して倍返しで言い返した永太。



その言葉の意味に、私が即座に赤面したのは言うまでもない話で。
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