【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
永太もまた、珍しく照れくさそうにして、前髪をぐしゃぐしゃ、と揉むように握った。



「でも、そんなバカな貴方が好きでたまらない。ホント、なんの悪夢ですかこれ。」



「悪夢とか酷くね?最高の現実じゃん。」



折角の甘いムードも、結局はいつも通りの漫才になってしまう。



それがお互いの照れ隠しなのは、お互い気付いてはいるんだけど、心地良いから止めれない。



永太はふっと笑い、私の首に両手を回し目を閉じる。



うわー睫毛無駄に長い………じゃなくて!



「あのー、永太さん?どうかしましたか?」



「どうもこうも、寝そべってますからキスが出来ません。だから、悠莉からしなさいよ。」



さっき物凄いスピードで頭突きかましただろ、とかツッコミ所は満載なんだけど、それ以上に恥ずかしくて、再びフリーズ。



「ほら、早く。」



極上な甘々鬼畜なお願いと、耳に響く心地良いエロボイス。



ん、と目を閉じて待つ永太に心臓をも鷲掴みにされた私は、導かれるように永太にキスを落とした。



一瞬で離そうとしたけど、その後は永太の主導権。



首に回された手にそのまま悪足掻きは封じられ、私達は長く甘いキスをした。
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