【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー



「結局、永太に持っていかれたかぁ。」



「だーるなぁ。」



夕方、山入端邸で私の送別会を開いてくれるということで来ていた澪ちゃんと雅治に報告すると、そんなことを言いながらも祝福してくれた。



「でも、折角両想いになったのに、遠距離かぁ。………私、こっちの大学受験しようかな。」



はぁ、と溜め息を落として呟くと、永太は隣で眼鏡をくい、と上げて一言。



「その必要はありませんよ。」



「え…………永太は遠距離でいいの?私、ずっと遠距離なんて辛いんだけど。」



案外ドライな考えなのかな、とすっかりイジケモード発動中の私の頭を、ぐわし、と優しさの欠片もなく掴んで上を向かせる永太。



「違いますから………言ってませんでしたか?俺、東京本校の付属大学へ推薦で進学する予定ですから、貴方がこちらに来る必要はないという意味ですよ。」



し………知らなかった。永太の進路の話なんか聞いたことなかったし。



ともあれ、永太との遠距離恋愛は来年の3月まで。



その事実に力無く笑うと、永太もやれやれ、と言いたげな顔で笑ってくれた。
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