【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー



澪ちゃんが着替え終わり、私達は再び永太のオープンカーで目的地へ。



「あー、うちなーそば、食べたいー!」



「ソーキに軟骨三枚肉ぅ、野菜にカマボッコ足ティビチー!」



後部席で、雅治がお腹を空かせて駄々をこねていると、同じく後部席の澪ちゃんが突然歌い出す。



ってか、歌うめぇぇ!初日、永太が歌ったのも上手かったけど、澪ちゃんはオペラやってるだけあって、ひと味違う歌声。



それに雅治も乗っかって、後ろでは二人が賑やかに歌い始めた。



「あの歌何?」



「聴いての通り『沖縄そばの歌』ですよ。よく沖縄そばのお店で流れてます、うちなーでは知れた曲です。」



なんて答えながら、永太も鼻歌で二人に混じる。



あー、皆、ホント沖縄好きなんだなぁ。



「お、見えてきましたよ。闘牛観たら、おそば屋さんにも寄りましょうね。」



「わーい!うまんちゅうちなーソッバッ!」



まだまだ沖縄そば熱が冷めない雅治が、喜びの返事の後にまた歌う。



そんな雅治を何だかんだ甘やかしてる永太はお母さん、ゴーイングマイウェイな澪ちゃんはお兄ちゃんみたいだ。



相変わらず、太陽はじりじりと私の肌を焦がすように攻撃してくるけど、慣れたのか、最近嫌ではなくなってきた。
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