【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
なんだか、言い出した本人の澪ちゃんの機嫌はあまり良い感じはしない。



いつもは無表情でもほんわりしてるその顔は、ちょっと冷たい印象になっている気がする。



「悠莉、永太んかい特別なくとぅされたりしてねーらんよな?」



隣の雅治まで、普段ころころ変わる表情を曇らせながら尋ねてくる。



こんな二人初めてだから、そりゃもう超絶テンパるよね。



「えっ……ま、まさかー!あはは!永太のくせに畳の跡残らないように膝枕してくれたり、ロマンチックな蛍の絶景見えるとこ連れてってくれたりそこでキスしたりするわけ……って、はっ!」



全部言ってしまった。自分でもアホなのには自覚あるけど、ここまでアホだとは。



二人の沈黙が怖い。なんかもう、ファミレスは超涼しいのに脇からバッシャーって脇汗が噴き出てる気がする。



「永太がいきがぬ約束、一番んかい破ったな。」



その沈黙を破ったのは、自然交流委員会で一番の低音ボイスを持つ澪ちゃんだった。
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