とある旅人の日常
持ち物
リュック
どこまでも続きそうなあさぎ色の芝生は風が吹くと光の波紋を描き
所々に突き出す大きな岩は透き通るように白く、それでいて力強い
少しの濁りもない川は水底の小さな砂利のひとつひとつの色や模様まで見える。
この場所の星の海もまた見ていて飽きないものでまた良し。
世界はホントに美しい。
あとは"こいつ"がいなければ……!
「降りろ。重い。」
「やだ」
……このガキ…
「猫は寒がりなんだよ?だからくっついて温かくして寝ないと。」
「くっついてないよな。どう見たってお前俺を押し倒して馬乗りになってるよな。」
「ボクこうしないと死んじゃうの。」
「そうか。じゃあ降りろ。」
「ボクに死ねと?」