CROW
2:義経
「あら、義経くん……終わったの?」
廊下の向こうから、洋子が戻ってきている。
出て行く時よりも、たくさんの資料を抱えた腕だ。
義経は、ジャケットに袖を通しながら、廊下の反対側から歩いてきていた。
「まあ、そんなとこ」
中途半端な返事になったのは、うまい返事が見つからなかったせい。
ジャケットの右ポケットを無意識に探ると、硬貨が一枚。
側面がギザギザしていて、中央に丸い穴が開いている── 50円玉のようだ。
「そんなとこって…何か含んでるわね」
洋子は、よいしょっと胸で荷物を抱えなおして片手を開けると、言ってごらんなさい、みたいに彼の腕をぽんと叩く。
肩を竦めることで、返事をしてみせた。
思い出すのは、あのびっくりした顔。
何を言われたのか分からない表情が、かっと赤くなった瞬間は、余りのかわいらしさに彼を微笑ませた。
負けん気が強く、この職業に変な確執があるくせに、天性の才能があるようだ。
それでも、寝顔はひどくあどけない。
二度しか会っていないというのに、義経はたくさんの彼女に出会った気がしてしょうがなかった。
ただ、向こうは自分を気に入ってくれてはいないようだが。
「ふふふ……まるで、あの子に噛み付かれた、みたいな顔して」
無意識にそんな表情をしていたのだろうか。
でも、まんざら外れてはいない言葉に、苦笑が浮かぶ。
「なんだかんだ言っても、甘噛みだよ」
軽く手首を振って見せた。
「そう言ってくれると嬉しいわ……あ、ちょっと待っててくれない?」
胸の中の紙をガサガサ言わせながら、彼女はヒールを鳴らした。
義経の横を素通りして、自分の部屋に向かい始める。
「いいけど、何の用? ヨーコさん」
問いかけると、彼女はきちんとこっちを振り返り、まるでいたずらっぽい少女のような顔になって言うのだ。
「ちょっとお茶でもしましょ…そこにいて」
それきり、もう振り返ったりはしなかった。
首をかしげた。
洋子と二人でお茶など、めったにない。
専属モデルとして、引き抜かれる交渉の時以来かもしれない。
どういう風の吹き回しやら。
まあ、断る理由もない。
義経は、廊下の壁に背中をつくと、ポケットの中の硬貨を引っ張り出してみた。
つまらない時間つぶしだ。
出てきたのは、やはり50円玉で。
軽く指ではじいて、空に放る。
戻ってくるのを、もう一度放る。
単純作業だ。
おかげで、頭の中は暇になった。
その暇な頭が、金髪娘のことを思い浮かべているのに気づいて、笑ってしまった。
かわいすぎたのが、まずかったな。
ヤンキーやってたくせに、変にすれてなくて。
まるで、昔の自分のような部分を見つけてしまったからか。
ああやって、眉や頬に浮かべる不機嫌な表情も、大半がポーズだろうと気づいていた。
自分もそうだったのだ。
心を許していない相手に、素直に笑ったり言葉を発したりするのは、カッコ悪いと思っていた。
特に初対面の人間には、虚勢を張ってでも、とにかく優位に立とうとする。
彼女のやっていることが、手に取るように分かるせいで、可愛いと思えてしまうのだ。
ヤンキー経験のない、真面目なタイプには、目つき口調態度のトリプル悪で、かわいくないと嫌われるのだろうが。
だからあんな風に、ここでは自分の力とやらを隠したがっているのだろうか。
一人で服を作るようなバイトを、義経はこれまで見たことはなかった。
自分が着る予定の、サイズ違いのスーツを一度見せてもらったが、大したできばえだったのを覚えている。
「おまたせ……どうしたの? ニヤニヤして」
随分と身軽になって戻ってきた洋子に、嫌なところを指摘された。
アトリエの向かいの喫茶店に落ち着いた二人の前に、コーヒーが運ばれてきた。
洋子はスティック1本分の砂糖を落とす。
義経は、何も入れずに口元へ持っていく。
しかし、持ったカップの熱さに躊躇して、一度ソーサーに戻した。
それから、カップと飲む頃合いを相談するのだ。
猫に近い舌といえば、分かるだろうか。
「部屋で、あの子ぷんぷん怒ってたわよ」
洋子は、カップを下ろしながら思い出したように笑う。
白い磁器に指をかけたまま、そんな彼女を見る。
娘のその現象を、いやがっているようなそぶりはない。
「あの子のこと…どう思う?」
イヤな子かしら?
義経の反応が緩慢だったせいか、少し不安そうに洋子は聞いてくる。
即座に首を横に振った。
「いや、可愛いぜ」
言うと、彼女はびっくりした顔をして── それから、笑った。
傑作、といった笑いっぷりだ。
そんなにおかしいことを言ったかと、自分の言動を振り返ってしまうほどに。
「違うのよ……ただ、あの子を初対面で、そう言ってくれる人は珍しいから」
無愛想でしょ?
自分の娘のことは、一応分かっているようだ。
「あの子ね、私のデザイン室で、ぷんぷん怒りながらも、もう型紙切ってたわ。入ってきた私になんか気づきもしないで」
指を組んで、それに顎を乗せる。
洋子のボブの髪が、白い手首の側で揺れた。
義経は、そんな彼女を怪訝な目で見る。
一体、何を言おうとしているのか、と。
「あなたを選んで大正解…これからも、あの子とよろしくやってくれるかしら?」
組んだ指が外れ、そのまま一点に向けられる。
その指先を視線で追ってみたら、自分の胸に行き着いてしまった。
これからも?
あの子はバイトで、長くあそこにいる気はないみたいだった。
どこまで本気かは、分からないのだが。
「私の計画はね、加奈と義経くん…あなたたちをセットで売り出すことよ」
怪訝なままの彼の頬に、一発パンチを打ち込むような発言だ。
言葉の真意を計るべく、その顔を見つめる。
洋子は、真顔だ。
傾げるみたいな首の角度だが、自信を持って義経を見ていた。
どうやら、本気には間違いないようである。
「どうして、オレに?」
洋子は加奈の才能を、高く買っているようだ。
彼女の娘だし、確かに才能もありそうだ。
あのまま、バイトで終わらせる気がなくて、いろいろふっかけているのも、なんとなく分かる。
しかし、そんな彼女の計画に、自分が組み込まれているとは思いもしなかった。
「決まってるわ……」
ソーサーの縁を、綺麗な爪ではじいた音がする。
かちん、かちん、と。
「決まってるわ……義経くん。あなたが私の好みだからよ」
その音の影から、堂々と、しかも笑わせるセリフを、彼女は吐くではないか。
「冗談も……」
つい笑いながら、そう言いかけた。
しかし、それを途中で止める。
真面目な洋子の目とぶつかってしまったからだ。
「冗談じゃないわ。私は本気よ。これでも、あの子の母親なんだから。加奈はいやがるかもしれないけど、あの子は私の趣味にそっくりよ。私の大のお気に入りのあなたを、加奈が気に入らないわけがない」
めちゃくちゃな論理だ。
とてもじゃないが、義経は納得できなかった。
第一、自分がそんなにまで洋子に気に入られていると、今初めて知ったくらいだ。
「どうして、私があなたを気に入ってるか知ってる?」
投げられた疑問符には、首を横に振るしかできない。
デザイナーの頭の中など、想像できるはずもなかった。
「あなたを見てると、デザインが浮かぶの。特に色が。あなたのためだけにデザインしている一瞬があるのよ、大したものだわ」
きっと加奈も同じだと、彼女は言うのだ。
やっぱりデザイナーなんて人間の頭の中は、説明されてもさっぱり理解できなかったが。
「大丈夫よ。さっき、あの子を見て確信したの……デザインしたがってるって。あなたの服をデザインしたがってるわ……見ててごらんなさい」
目を細めた洋子は、本当に嬉しそうだった。
自分が、もしかしたら物凄いライバルを育てているのかもしれないというのに。
「あのスーツ、絶対最初のデザインとは違うわよ…賭けてもいいわ。もっとあなたに似合うようになってる…その頃には、もう私が最初にしたデザインは、みんななくなってるのよ」
ざまぁみなさい。
さっき加奈に見せられた顔と、よく似ている表情だった。
さすが、親子。
この業界に、必死に抵抗する娘に向かって、舌を出すのだ。
彼女が、どんなに嫌がろうが、この世界に引き止めるつもりなのだろう。
まさか、娘を引き止める手駒に使われるとは、思ってもみなかった。
随分壮大で、気の長い話になるかもしれないのに。
「ねぇ、そんな顔しないで……私は、惜しいの。加奈は、中学の段階で縫製は完璧だったのよ。分からないかもしれないけど、あの時代のすべての布地と糸を使いこなせていたわ。デザインだって、荒削りだけど恐ろしいものがあったのよ…惜しすぎるわ」
一気に並べ立てられる、娘への賛辞。
この親子の性格を考えると、おそらく本人に聞かされることはないに違いない。
「あたしが、ここに義経くんを呼んだのは、このことをお願いしたかったの」
いつになく多弁で、プライベートに関わる話だ。
義経は、話の方向を見守っていた。
そして、彼女は言った。
「あなたは『YOKO』の専属モデルよね……これからは、加奈の専属モデルになってもらえないかしら」
あの子を、本気にさせて。
義経は── 加奈を思い出した。
あの脳裏に残るたくさんの表情と、仕事ぶりのいくつかを。
彼は、笑った。
加奈を思い出すと、なぜか少し幸せな気分を味わえる。
だが。
義経は。
笑いながら。
首を。
横に振った。
廊下の向こうから、洋子が戻ってきている。
出て行く時よりも、たくさんの資料を抱えた腕だ。
義経は、ジャケットに袖を通しながら、廊下の反対側から歩いてきていた。
「まあ、そんなとこ」
中途半端な返事になったのは、うまい返事が見つからなかったせい。
ジャケットの右ポケットを無意識に探ると、硬貨が一枚。
側面がギザギザしていて、中央に丸い穴が開いている── 50円玉のようだ。
「そんなとこって…何か含んでるわね」
洋子は、よいしょっと胸で荷物を抱えなおして片手を開けると、言ってごらんなさい、みたいに彼の腕をぽんと叩く。
肩を竦めることで、返事をしてみせた。
思い出すのは、あのびっくりした顔。
何を言われたのか分からない表情が、かっと赤くなった瞬間は、余りのかわいらしさに彼を微笑ませた。
負けん気が強く、この職業に変な確執があるくせに、天性の才能があるようだ。
それでも、寝顔はひどくあどけない。
二度しか会っていないというのに、義経はたくさんの彼女に出会った気がしてしょうがなかった。
ただ、向こうは自分を気に入ってくれてはいないようだが。
「ふふふ……まるで、あの子に噛み付かれた、みたいな顔して」
無意識にそんな表情をしていたのだろうか。
でも、まんざら外れてはいない言葉に、苦笑が浮かぶ。
「なんだかんだ言っても、甘噛みだよ」
軽く手首を振って見せた。
「そう言ってくれると嬉しいわ……あ、ちょっと待っててくれない?」
胸の中の紙をガサガサ言わせながら、彼女はヒールを鳴らした。
義経の横を素通りして、自分の部屋に向かい始める。
「いいけど、何の用? ヨーコさん」
問いかけると、彼女はきちんとこっちを振り返り、まるでいたずらっぽい少女のような顔になって言うのだ。
「ちょっとお茶でもしましょ…そこにいて」
それきり、もう振り返ったりはしなかった。
首をかしげた。
洋子と二人でお茶など、めったにない。
専属モデルとして、引き抜かれる交渉の時以来かもしれない。
どういう風の吹き回しやら。
まあ、断る理由もない。
義経は、廊下の壁に背中をつくと、ポケットの中の硬貨を引っ張り出してみた。
つまらない時間つぶしだ。
出てきたのは、やはり50円玉で。
軽く指ではじいて、空に放る。
戻ってくるのを、もう一度放る。
単純作業だ。
おかげで、頭の中は暇になった。
その暇な頭が、金髪娘のことを思い浮かべているのに気づいて、笑ってしまった。
かわいすぎたのが、まずかったな。
ヤンキーやってたくせに、変にすれてなくて。
まるで、昔の自分のような部分を見つけてしまったからか。
ああやって、眉や頬に浮かべる不機嫌な表情も、大半がポーズだろうと気づいていた。
自分もそうだったのだ。
心を許していない相手に、素直に笑ったり言葉を発したりするのは、カッコ悪いと思っていた。
特に初対面の人間には、虚勢を張ってでも、とにかく優位に立とうとする。
彼女のやっていることが、手に取るように分かるせいで、可愛いと思えてしまうのだ。
ヤンキー経験のない、真面目なタイプには、目つき口調態度のトリプル悪で、かわいくないと嫌われるのだろうが。
だからあんな風に、ここでは自分の力とやらを隠したがっているのだろうか。
一人で服を作るようなバイトを、義経はこれまで見たことはなかった。
自分が着る予定の、サイズ違いのスーツを一度見せてもらったが、大したできばえだったのを覚えている。
「おまたせ……どうしたの? ニヤニヤして」
随分と身軽になって戻ってきた洋子に、嫌なところを指摘された。
アトリエの向かいの喫茶店に落ち着いた二人の前に、コーヒーが運ばれてきた。
洋子はスティック1本分の砂糖を落とす。
義経は、何も入れずに口元へ持っていく。
しかし、持ったカップの熱さに躊躇して、一度ソーサーに戻した。
それから、カップと飲む頃合いを相談するのだ。
猫に近い舌といえば、分かるだろうか。
「部屋で、あの子ぷんぷん怒ってたわよ」
洋子は、カップを下ろしながら思い出したように笑う。
白い磁器に指をかけたまま、そんな彼女を見る。
娘のその現象を、いやがっているようなそぶりはない。
「あの子のこと…どう思う?」
イヤな子かしら?
義経の反応が緩慢だったせいか、少し不安そうに洋子は聞いてくる。
即座に首を横に振った。
「いや、可愛いぜ」
言うと、彼女はびっくりした顔をして── それから、笑った。
傑作、といった笑いっぷりだ。
そんなにおかしいことを言ったかと、自分の言動を振り返ってしまうほどに。
「違うのよ……ただ、あの子を初対面で、そう言ってくれる人は珍しいから」
無愛想でしょ?
自分の娘のことは、一応分かっているようだ。
「あの子ね、私のデザイン室で、ぷんぷん怒りながらも、もう型紙切ってたわ。入ってきた私になんか気づきもしないで」
指を組んで、それに顎を乗せる。
洋子のボブの髪が、白い手首の側で揺れた。
義経は、そんな彼女を怪訝な目で見る。
一体、何を言おうとしているのか、と。
「あなたを選んで大正解…これからも、あの子とよろしくやってくれるかしら?」
組んだ指が外れ、そのまま一点に向けられる。
その指先を視線で追ってみたら、自分の胸に行き着いてしまった。
これからも?
あの子はバイトで、長くあそこにいる気はないみたいだった。
どこまで本気かは、分からないのだが。
「私の計画はね、加奈と義経くん…あなたたちをセットで売り出すことよ」
怪訝なままの彼の頬に、一発パンチを打ち込むような発言だ。
言葉の真意を計るべく、その顔を見つめる。
洋子は、真顔だ。
傾げるみたいな首の角度だが、自信を持って義経を見ていた。
どうやら、本気には間違いないようである。
「どうして、オレに?」
洋子は加奈の才能を、高く買っているようだ。
彼女の娘だし、確かに才能もありそうだ。
あのまま、バイトで終わらせる気がなくて、いろいろふっかけているのも、なんとなく分かる。
しかし、そんな彼女の計画に、自分が組み込まれているとは思いもしなかった。
「決まってるわ……」
ソーサーの縁を、綺麗な爪ではじいた音がする。
かちん、かちん、と。
「決まってるわ……義経くん。あなたが私の好みだからよ」
その音の影から、堂々と、しかも笑わせるセリフを、彼女は吐くではないか。
「冗談も……」
つい笑いながら、そう言いかけた。
しかし、それを途中で止める。
真面目な洋子の目とぶつかってしまったからだ。
「冗談じゃないわ。私は本気よ。これでも、あの子の母親なんだから。加奈はいやがるかもしれないけど、あの子は私の趣味にそっくりよ。私の大のお気に入りのあなたを、加奈が気に入らないわけがない」
めちゃくちゃな論理だ。
とてもじゃないが、義経は納得できなかった。
第一、自分がそんなにまで洋子に気に入られていると、今初めて知ったくらいだ。
「どうして、私があなたを気に入ってるか知ってる?」
投げられた疑問符には、首を横に振るしかできない。
デザイナーの頭の中など、想像できるはずもなかった。
「あなたを見てると、デザインが浮かぶの。特に色が。あなたのためだけにデザインしている一瞬があるのよ、大したものだわ」
きっと加奈も同じだと、彼女は言うのだ。
やっぱりデザイナーなんて人間の頭の中は、説明されてもさっぱり理解できなかったが。
「大丈夫よ。さっき、あの子を見て確信したの……デザインしたがってるって。あなたの服をデザインしたがってるわ……見ててごらんなさい」
目を細めた洋子は、本当に嬉しそうだった。
自分が、もしかしたら物凄いライバルを育てているのかもしれないというのに。
「あのスーツ、絶対最初のデザインとは違うわよ…賭けてもいいわ。もっとあなたに似合うようになってる…その頃には、もう私が最初にしたデザインは、みんななくなってるのよ」
ざまぁみなさい。
さっき加奈に見せられた顔と、よく似ている表情だった。
さすが、親子。
この業界に、必死に抵抗する娘に向かって、舌を出すのだ。
彼女が、どんなに嫌がろうが、この世界に引き止めるつもりなのだろう。
まさか、娘を引き止める手駒に使われるとは、思ってもみなかった。
随分壮大で、気の長い話になるかもしれないのに。
「ねぇ、そんな顔しないで……私は、惜しいの。加奈は、中学の段階で縫製は完璧だったのよ。分からないかもしれないけど、あの時代のすべての布地と糸を使いこなせていたわ。デザインだって、荒削りだけど恐ろしいものがあったのよ…惜しすぎるわ」
一気に並べ立てられる、娘への賛辞。
この親子の性格を考えると、おそらく本人に聞かされることはないに違いない。
「あたしが、ここに義経くんを呼んだのは、このことをお願いしたかったの」
いつになく多弁で、プライベートに関わる話だ。
義経は、話の方向を見守っていた。
そして、彼女は言った。
「あなたは『YOKO』の専属モデルよね……これからは、加奈の専属モデルになってもらえないかしら」
あの子を、本気にさせて。
義経は── 加奈を思い出した。
あの脳裏に残るたくさんの表情と、仕事ぶりのいくつかを。
彼は、笑った。
加奈を思い出すと、なぜか少し幸せな気分を味わえる。
だが。
義経は。
笑いながら。
首を。
横に振った。