君のイナイ季節
「ま、万が一、な話なんでそんなに泣かないでよ」

私は拓海くんの腕の中で頷いた。



「真由ちゃん」



拓海くんは耳元でこう囁いた。



「好き、なんて軽い言葉はいらない。
ずっと、愛してるよ…」



拓海くんの腕の力が強くなった。



私も拓海くんの背中に回した腕に力を入れる。



冷えてきた空気が私達の周りを包むけど。



それに負けないくらい、私達は温かかった。
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