君のイナイ季節
段々冷たくなる手が、彼と私を引き裂いていく。



つい、12時間前までは彼の温かさを全身で受け止めていたのに。




見つめ合う事も。

肌が触れ合う事も。

言葉を交わす事も。

何も出来なくなってしまった。

当たり前の事が当たり前に出来なくなるって。

言葉に出来ないくらい、苦しい。



繋いだ手に涙の雫が落ちて、落ちて。


涙は温かいのに。


拓海くんの手は冷たくなる一方だ…
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