君のイナイ季節
「…じゃあ、今度のレースの前に」

私は拓海くんを見つめた。

いつも以上に真剣な目をしている。

「僕の両親に、会ってくれる?僕と一緒になるなら、一緒に手伝って欲しい事がいっぱいあって。
そういうのも、そろそろ見てもらってもいいかなってさっき、考えていたんだけど」

私はその言葉に頷いた。

また私の夢が一歩、近付いた気がした。

早く一緒になりたい。

考えが甘いのもわかっているんだけど。

拓海くんと出来るだけ一緒にいたい。



私は笑って頷いた。



「あ…」

校門を一緒に出た時に拓海くんは上を向いて声を上げた。
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