君のイナイ季節
「ごめんね」


午後3時。

文化祭も終わりが近付き、ようやくクラブ内も落ち着き始めた。

私は片手間に余った材料でみんなのお弁当を作っていた。

そのうちの一つを、疲れ果てた表情で椅子に腰掛けている拓海くんへ持って行った。

「…ありがとう」

少しはにかんだ笑みを見せて拓海くんは受け取ってくれた。

「天気、いいし屋上で食べる?」

思い切って誘ってみたら拓海くんは満面の笑みで頷いた。

驚いたな。
断られると思ったのに。



2人で屋上に向かう。



一緒に並んで歩くけど、ドキドキして止まらない。
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