君のイナイ季節
更に家の電車番号まで。


無理だわ…



ありえない。



「おはよ!!」



その声に振り返る。

拓海くんだ!



「おっ…おはよう!」

慌てて手紙を鞄に入れようとして失敗。

拓海くんはその手紙をパッと取り上げた。



「…誰?」

チラッと手紙を見て冷たい目を私に向けた。

「隣の男子高の人に渡された」

上目使いに私は拓海くんを見る。

「で、どうすんの?」

拓海くんは私の手首を掴んだ。

「…もちろん、断るけど」

「じゃあ、これ、いらないよね?」

手紙をヒラヒラさせて、次の瞬間。

ビリビリに破いた。
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