君のイナイ季節
「真由ちゃん」

拓海くんは真剣な顔をして私を見つめて。

「僕は心が広くないから。
今度からは貰わないで?」

本気で怒っている。

握りしめた手紙がワナワナと震えていて。

「う、うん。ごめん…」



初めて。

私が、私の態度が拓海くんを怒らせてしまった。



軽いショックが自分の中で波打っていた。
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