君のイナイ季節

拓海くんは１０分ほどでバイクに乗って現れた。

「何やってんの？」

顔面蒼白な拓海くんの顔を初めて見た。

「コイツなの？」

松原くんに押さえられている男子生徒を睨んでいた。

今にも殴りそうな拓海くんだったけど、すぐに警察も来て。

その男子生徒は連れて行かれた。



「真由ちゃん、ホント勘弁してよ…」

拓海くんはギュッと私を抱きしめた。

「ごめんなさい…」

拓海くんに抱きしめられて、急にホッとしたのか涙が出てきた。

「大輝、ごめん、ありがと」

拓海くんは私を抱きしめながらそう言うと

「体育祭の打ち合わせでたまたま遅くなったから運が良かった。
遠くから平野さんが路地裏に引き込まれたのが見えたから慌てて走ったよ」