‐天統べる仙鳥の皇国‐
私は2羽を目で追い、それを見届けて安堵した。
慌てて振り返って、敵を見た私が目にした光景は…あのアルフレッドという男が、恐ろしい憤怒の形相で小剣を振り上げ、今にも私に襲い掛かろうとしていた姿だった。
…ギィィ…ン!!
男の小剣の一撃に、私は弾き飛ばされる。
『!…この霊鳥……サーベル!?』
一瞬の判断で居合い抜いた軍刀がこの身を守り、間一髪というところで助かった。
『…そ、そのサーベルのは《イェクーヌヤ教法国》の軍刀!!!』
だが、男は息つく寸秒さえも与えられない。間断なく仲間の仙鳥が次から次へと頭上から攻め掛かっていたからだ。
『ぐわっ!!くそっ!邪魔するな!!このクソ霊鳥共が!!』
私は奴の隙を見てふらふらと立ち上がり、翔び立つ為に急いで軍刀を鞘に収めようとした。
『逃がすか!!この化け物怪鳥めェ!!』
あの大男が、降り注ぐ仙鳥達の猛攻撃の中、重剛な鉄槌を構えて私に歩み寄ってきた…!!
ガッ!!……ィィ…ン。
聞こえる打ち合った金属の共鳴音と火花…そして全身に激痛が走る。その渾身の一撃を軍刀で受け止められはしたものの、私の体は投石のように大きく打ち飛ばされた。
地を転がり動けない私の元に、我が仲間達の攻撃を荒々しく振り払い、駆け寄ってきた大男…。
『…よぉし…っと。へへっ。んじゃ、代わりにこの1羽を頂くぜ。確実に仕留める為だ。お前の頭は…この大鉄槌で叩き潰させてもらうぜ…』
テトズは救えたものの、私は代わって自らの身を、敵に差し出すような大失態を晒してしまった…すまない…。
大男が一度、鉄槌を左肩に担ぎ直し…鉄槌を大きく振り上げた…。
『皆の者!!今こそ総攻撃だ!!アシパロフさまをお救いするのだー!!』
『うわあ!!なんだ!!…くそおっ!!』
私はその声に遠退きつつあった意識を取り戻し、ぐいっと頭を持ち上げた。
77羽もの仙鳥の一斉攻撃に暴れ狂う大男、その仲間の人間達。
仲間のククル達は何度も冒険者らに斬りつけられ、何度も地に叩き付けられても、幾度も幾度も身体を起こし、翔んで攻めに攻め立てる。
宙に飛び散る仙鳥の鮮血。それは外気に触れて燃え尽き煌めいて、薄暗い森の中でバチバチと耀いた。
『きゃっ!!…この小さな無数の発光は何なのよ!!』
さっきまで凶矢を放っていた女は、今はそれを慌てて投げ捨てて、身を屈めて左腰に携えていた短刀を右手で抜き、左腕で頭を覆い守りながら一心不乱に短刀を振り回していた。
『おい!フランク!!ジーナ!!お前らの魔術で…この状況を早く何とかしろ!!』
あの小剣を持つ男が、体制を立て直しながらそう叫ぶ。
慌てて振り返って、敵を見た私が目にした光景は…あのアルフレッドという男が、恐ろしい憤怒の形相で小剣を振り上げ、今にも私に襲い掛かろうとしていた姿だった。
…ギィィ…ン!!
男の小剣の一撃に、私は弾き飛ばされる。
『!…この霊鳥……サーベル!?』
一瞬の判断で居合い抜いた軍刀がこの身を守り、間一髪というところで助かった。
『…そ、そのサーベルのは《イェクーヌヤ教法国》の軍刀!!!』
だが、男は息つく寸秒さえも与えられない。間断なく仲間の仙鳥が次から次へと頭上から攻め掛かっていたからだ。
『ぐわっ!!くそっ!邪魔するな!!このクソ霊鳥共が!!』
私は奴の隙を見てふらふらと立ち上がり、翔び立つ為に急いで軍刀を鞘に収めようとした。
『逃がすか!!この化け物怪鳥めェ!!』
あの大男が、降り注ぐ仙鳥達の猛攻撃の中、重剛な鉄槌を構えて私に歩み寄ってきた…!!
ガッ!!……ィィ…ン。
聞こえる打ち合った金属の共鳴音と火花…そして全身に激痛が走る。その渾身の一撃を軍刀で受け止められはしたものの、私の体は投石のように大きく打ち飛ばされた。
地を転がり動けない私の元に、我が仲間達の攻撃を荒々しく振り払い、駆け寄ってきた大男…。
『…よぉし…っと。へへっ。んじゃ、代わりにこの1羽を頂くぜ。確実に仕留める為だ。お前の頭は…この大鉄槌で叩き潰させてもらうぜ…』
テトズは救えたものの、私は代わって自らの身を、敵に差し出すような大失態を晒してしまった…すまない…。
大男が一度、鉄槌を左肩に担ぎ直し…鉄槌を大きく振り上げた…。
『皆の者!!今こそ総攻撃だ!!アシパロフさまをお救いするのだー!!』
『うわあ!!なんだ!!…くそおっ!!』
私はその声に遠退きつつあった意識を取り戻し、ぐいっと頭を持ち上げた。
77羽もの仙鳥の一斉攻撃に暴れ狂う大男、その仲間の人間達。
仲間のククル達は何度も冒険者らに斬りつけられ、何度も地に叩き付けられても、幾度も幾度も身体を起こし、翔んで攻めに攻め立てる。
宙に飛び散る仙鳥の鮮血。それは外気に触れて燃え尽き煌めいて、薄暗い森の中でバチバチと耀いた。
『きゃっ!!…この小さな無数の発光は何なのよ!!』
さっきまで凶矢を放っていた女は、今はそれを慌てて投げ捨てて、身を屈めて左腰に携えていた短刀を右手で抜き、左腕で頭を覆い守りながら一心不乱に短刀を振り回していた。
『おい!フランク!!ジーナ!!お前らの魔術で…この状況を早く何とかしろ!!』
あの小剣を持つ男が、体制を立て直しながらそう叫ぶ。