君への想いよ届け
起立。礼っ。ありがとうございました。
「はぁーー!やっっと帰れるぅ!」
「だねー!あっ、でも、雅は部活でしょ?」
「今日は、弟を迎えに行かないといけないから、休むの!」
「へぇ…。そっか!んじゃ、バイバーイ」
「おぅ!元気でなっ!あの人のこと、あんまり気にしちゃだめだよ!」
雅に手を振り、
帰る片付けをしていると、
先生に呼ばれた。
「比野宮 美羽、長谷部 修 、お前ら二人にクラス委員をやってもらう」
…え‼︎
「うちのクラスで、部活をやっていないのは二人だけなんだ。だから時間はあるはず。ってことで!よろしくな!」
よろしくなって…
嫌だよ、私。関わりたくないもん。
長谷部 修 とは…。
もぉ大半の人が下校している中、
私達は教室で、プリントの整理をしていた。
沈黙のなか、私は長谷部君と二人きりでいた。
気まずい。
長谷部君は、、あの時のことどう思ってるのかな?
なんとも思ってないよね。きっと。
その時、たまたま忘れ物をとりにきたクラスメイトの女子数人が私をみるなり、
「あいつ、修君のこと絶対ねらってるよ」
「きゃははは。バカじゃん」
「だよねー、修君はあのまほさんと付き合ってたんだよ!あいつとは、レベルが違いすぎるし」
「そぉそぉ!確か、中学の時だったよね?」
えっ…長谷部君
彼女いたんだ。
そりゃ、振られるよね…。
女子達はあざ笑うかのように私を見た。
そんな女子達を私は鋭い目でにらんだ。
ビクっとして、逃げるように帰っていった。
ハッ…アハハ…。
やばいっ
泣くなっ 私。
思い出すだけで、涙がこぼれそうだった。
そんな私を見ていた長谷部君が
こっちに近づいて
「泣いてるのか?」
顔を覗かせて聞いてきた。
初めて話しかけられて、少し…いゃ、
かなりビックリした。
「ほんとに大丈夫です!じゃあまた明日!」
私はその場から走って立ち去った。