極上男子2〜王子たちの甘い放課後〜


そう思ったら、急に逃げ出したい衝動にかられて、来た道をダッシュした。


「っ、愛花!」

「え、廣戸!?」

大翔と隆太の声が聞こえたけど、気にしないで走る。



走って、走って、走って。

すれ違う人には、少し驚いた目で見られたけど、今はどうでもいい。


「はぁっ、はぁっ…」


一体、どれくらい走っただろう。

気がつけば、隣町の小さな公園にいた。



もちろん、大翔はこない。

分かっていたはずなのに、心のどこかで本当は来てほしかったと思ってる。




「な、んで…、来てくれないのよお…」


頬に伝う涙をぬぐってもぬぐっても、涙は溢れてくる。



「っ、愛花!」


私は、大翔であってほしいという期待を込めて、振り返った。


< 37 / 54 >

この作品をシェア

pagetop