極上男子2〜王子たちの甘い放課後〜
そう思ったら、急に逃げ出したい衝動にかられて、来た道をダッシュした。
「っ、愛花!」
「え、廣戸!?」
大翔と隆太の声が聞こえたけど、気にしないで走る。
走って、走って、走って。
すれ違う人には、少し驚いた目で見られたけど、今はどうでもいい。
「はぁっ、はぁっ…」
一体、どれくらい走っただろう。
気がつけば、隣町の小さな公園にいた。
もちろん、大翔はこない。
分かっていたはずなのに、心のどこかで本当は来てほしかったと思ってる。
「な、んで…、来てくれないのよお…」
頬に伝う涙をぬぐってもぬぐっても、涙は溢れてくる。
「っ、愛花!」
私は、大翔であってほしいという期待を込めて、振り返った。