城跡に咲く花〜使用人×王女〜
「…ルシア、……どうか無事で…」
ユリアはそっと妹姫を抱きしめる。
「みなも…無事に生き延びてくれ……」
少しだけ潤んでいるように見える翡翠色の瞳を見返して、忠臣たちは深く頭を垂れた。
扉を閉める直前、最後に振り返った彼にユリアはそっと呟いた。
「さよならグレン……」
上手く笑えていたのかはわからない。
重い音をたてて、扉はとうとう閉ざされた。
誰にもその場に残ることをゆるさず、ユリアはたったひとり崩れる城内に留まった。
ぺたりと床に座り込む。
扉を閉めてしまうと、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになった。
隠し通路はもう開けられない。
彼らにはもう二度とあえない。
誰もいなくなった暗い部屋で彼女は静かに瞳を閉じる。
ユリアはそっと妹姫を抱きしめる。
「みなも…無事に生き延びてくれ……」
少しだけ潤んでいるように見える翡翠色の瞳を見返して、忠臣たちは深く頭を垂れた。
扉を閉める直前、最後に振り返った彼にユリアはそっと呟いた。
「さよならグレン……」
上手く笑えていたのかはわからない。
重い音をたてて、扉はとうとう閉ざされた。
誰にもその場に残ることをゆるさず、ユリアはたったひとり崩れる城内に留まった。
ぺたりと床に座り込む。
扉を閉めてしまうと、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになった。
隠し通路はもう開けられない。
彼らにはもう二度とあえない。
誰もいなくなった暗い部屋で彼女は静かに瞳を閉じる。