城跡に咲く花〜使用人×王女〜
ひと時の逢瀬
忠臣たちを見送ったあと、ユリアは部屋を出て城の廊下を進んだ。
彼女には最後にあっておきたい人物がいた。
荒れ果て様変わりした城内にはもうひと影はない。
目的の場所へ向かいながら、ユリアは額に滲んだ汗を拭った。
石造りの城だけあって、辺りはかなりの高温になってきている。
拡がる炎を避けながら、彼女はやがて大きな両開きの扉の前に立った。
そこは王の間。
豪奢な部屋の奥、中央の高くなったところに黄金に煌めく王座がある。
ユリアが探しているのは彼女の父―――この国の王だった。
彼女の勘が正しければ、王はここにいるはすだ。
そっと扉を押す。
「―――つっ!!」
扉を開けた途端、そこからぶわっと噴き出してきた熱風にユリアは思わず声を漏らした。
中はかつての煌びやかさが嘘であるかのように一変していた。
彼女には最後にあっておきたい人物がいた。
荒れ果て様変わりした城内にはもうひと影はない。
目的の場所へ向かいながら、ユリアは額に滲んだ汗を拭った。
石造りの城だけあって、辺りはかなりの高温になってきている。
拡がる炎を避けながら、彼女はやがて大きな両開きの扉の前に立った。
そこは王の間。
豪奢な部屋の奥、中央の高くなったところに黄金に煌めく王座がある。
ユリアが探しているのは彼女の父―――この国の王だった。
彼女の勘が正しければ、王はここにいるはすだ。
そっと扉を押す。
「―――つっ!!」
扉を開けた途端、そこからぶわっと噴き出してきた熱風にユリアは思わず声を漏らした。
中はかつての煌びやかさが嘘であるかのように一変していた。