城跡に咲く花〜使用人×王女〜
王間には轟々と炎が渦巻き、部屋中がその明かりで真っ赤に染まっていたのだ。
模様織のカーテンも毛足の長い重厚なカーペットもアンティークの調度品たちも、なにもかもが燃えていた。
「………」
ユリアはゆっくりと視線を王座に向ける。
そこに王はいた。
―――黒く焼け焦げて。
「……お父さま…」
吐息ほどの声で呟いて、彼女は一歩一歩王座へと近づく。
権力と富に溺れ身を滅ぼした愚かな王。
父の死を目の当たりにしながら、ユリアの中では悲しみよりも哀れみの気持ちの方が強かった。
冷たい親子関係だったせいか、彼女にとって彼は父であるというよりも王だったのだ。
ああ、やはり…。
ユリアは悟った。
火をつけたのは父王なのだと。
模様織のカーテンも毛足の長い重厚なカーペットもアンティークの調度品たちも、なにもかもが燃えていた。
「………」
ユリアはゆっくりと視線を王座に向ける。
そこに王はいた。
―――黒く焼け焦げて。
「……お父さま…」
吐息ほどの声で呟いて、彼女は一歩一歩王座へと近づく。
権力と富に溺れ身を滅ぼした愚かな王。
父の死を目の当たりにしながら、ユリアの中では悲しみよりも哀れみの気持ちの方が強かった。
冷たい親子関係だったせいか、彼女にとって彼は父であるというよりも王だったのだ。
ああ、やはり…。
ユリアは悟った。
火をつけたのは父王なのだと。