城跡に咲く花〜使用人×王女〜
ぽたっ―――
「……っ、ばかだな…」
頬を熱い雫が伝い、零れ落ちる。
気づけばどうしようもなく涙が溢れていた。
「それを言うために戻ってきたのか…?」
ユリアは翡翠色の瞳を揺らし表情を歪めた。
次から次へと零れる彼女の涙にグレンはただただ狼狽える。
「すみません……伝える機会はもうないと思ったので…」
俯いてしまった彼女をうかがい見て。
それでも願いを口にする。
「分相応な想いだということはわかっています…。なにも望んでなどいません―――だけどご慈悲をくださるのなら、どうか最期まで…そばにいさせてください…」
彼女が死ぬというのなら、どうか共に―――
グレンは深く頭を垂れた。
ぎゅっと自分の手のひらを握りしめ、ユリアがぱっと顔を上げる。
「……っ、ばか…ばかっ……グレンのばか…っ」
「………ひ、姫さま?」
「……っ、ばかだな…」
頬を熱い雫が伝い、零れ落ちる。
気づけばどうしようもなく涙が溢れていた。
「それを言うために戻ってきたのか…?」
ユリアは翡翠色の瞳を揺らし表情を歪めた。
次から次へと零れる彼女の涙にグレンはただただ狼狽える。
「すみません……伝える機会はもうないと思ったので…」
俯いてしまった彼女をうかがい見て。
それでも願いを口にする。
「分相応な想いだということはわかっています…。なにも望んでなどいません―――だけどご慈悲をくださるのなら、どうか最期まで…そばにいさせてください…」
彼女が死ぬというのなら、どうか共に―――
グレンは深く頭を垂れた。
ぎゅっと自分の手のひらを握りしめ、ユリアがぱっと顔を上げる。
「……っ、ばか…ばかっ……グレンのばか…っ」
「………ひ、姫さま?」