城跡に咲く花〜使用人×王女〜
けれどそれだけで満足だなんて思ってほしくなかった。
もっともっと…、グレンは幸せになっていい。
わたしのために死ぬことはないのに。
それなのに―――
なおも首を振るユリアを、グレンがそっと引き寄せる。
「いいえ、俺はこれ以上ないほど幸せなんです……。ずっとずっと、夢でした。…どうか一緒に行かせてください…」
ああ…。
「やはり我儘なのはわたしだ…」
共に死ぬという彼がひどく悲しくて、けれど心のどこかで嬉しいと感じてしまう。
「……グレン、わたしと共にきてくれるか…?」
震えるユリアの声に、グレンは穏やかに唇の端を上げた。
「どこまでもお伴いたします、ユリアさま」
跪くその姿は、まるで忠誠を誓う騎士のようで。
閉じたユリアの瞳から、ひと雫の涙が零れた。
もっともっと…、グレンは幸せになっていい。
わたしのために死ぬことはないのに。
それなのに―――
なおも首を振るユリアを、グレンがそっと引き寄せる。
「いいえ、俺はこれ以上ないほど幸せなんです……。ずっとずっと、夢でした。…どうか一緒に行かせてください…」
ああ…。
「やはり我儘なのはわたしだ…」
共に死ぬという彼がひどく悲しくて、けれど心のどこかで嬉しいと感じてしまう。
「……グレン、わたしと共にきてくれるか…?」
震えるユリアの声に、グレンは穏やかに唇の端を上げた。
「どこまでもお伴いたします、ユリアさま」
跪くその姿は、まるで忠誠を誓う騎士のようで。
閉じたユリアの瞳から、ひと雫の涙が零れた。