大嫌いな最愛の彼氏【短編】
「ウッゼェんだよ、さっきから!!どっか消えろっ、この女ったらしのアホ面が」


「テメェに言われる筋合いねぇんだよ、口の悪い暴力女」


「はぁ?テメェ、もっかい言ってみろ」


「何度でも言ってやるよ、可愛いさのカケラもない鬼畜野郎」


「ふざけてんじゃねぇぞ!?」



さっきからギャーギャー騒いでるのは、高校三年の
『宮原 愛華(ミヤハラ アイカ)』と
『田所 彪河(タドコロ ヒュウガ)』だ。

この二人は、この学校で一番仲が悪い。

鉢合わせたら、必ず喧嘩。

しかもお互い喧嘩っ早く、相当な強さの持ち主であって……。

学校でも、かなりの問題児。


そんなこんなで、今日もこの二人は喧嘩中。

原因?

……そんなモノ、この二人にはあったもんじゃない。

今日だってただ、擦れ違い越しに、肩がぶつかっただけなのに……ここまで喧嘩が発展している。



「おいっ、お前ら!!こんな所で喧嘩なんて、するんじゃない!」


「「はぁ?センコーは黙ってろ」」


「………って、ハモってんじゃねぇ!!クソ彪河!!」

「俺だって、テメェとなんかハモりたくねぇよ、クソ愛華」



あは………なんか二人を見てると、コメディーみたい。

って……そんな事言ってんのばれたら、殺されるかも……。

ヤバイ、ヤバイ……。



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