超企業

テレビ画面の中で千代川会長と六道さんが話している。


「千代川会長、あなたのしていることは残虐行為に値します。どういう仕組みで死者を出し、罪を償わずに済んでいるかは知りませんが、これ以上の愚行をするのならば許しません。」




何もせず立ち尽くしている彼女には妙な殺気があり、千代川会長の側近にいる2人のボディーガードもバッと前へ出た。





それを両手でさっととどめる千代川会長。



「ふうん、それで?どうするつもり?」




千代川会長もまるで殺気を感じないのか、それとも全く平気なのかのように六道さんに聞き返した。




さらに続ける。



「いっとくけど、なにするのか知らないけどさ、この状況は他の社員にも見せているんだよ?逆らわないいい教訓としてね。」




「逆らわない?なんて非社会的な言い回しなのでしょうか。千代川会長、やはりあなたが会社を経営する資格はありませんね。」




動かない二人だったが両者の間にはまるで電撃が走っているかのように張り詰めていた。






「これは、言い方が悪かったね。謝るよ。でもね、初めに言ってるよね?二兆円とそのリスクについてのお話。それをみんな了承してるんだからさ、文句言わずに働いてよ?」






< 100 / 109 >

この作品をシェア

pagetop