超企業
なにやらぶつぶつとお経のようなものを唱え始める六道さんだった。
「ぷっ、なにあれ?中2病じゃん、クスクス。」
と、笑う七色さん。
僕も六道さんの気が狂ったようにみえた。
しかし、そのお経は恐ろしいものだった。
「うっ!!あっ!!」
お経を唱えて数秒のうち、ひとりのボディーガードに異変がな起きた。
「どうした!?うっ!身体が!」
千代川会長も二人の異変に驚いた様子だった。
「お、おい、何をしている!?」
千代川会長は二人を交互に見て、焦りを露わにした。
「極楽浄土だけが、仏の教えではありません。あの世には地獄なるものも存在するのですよ?」
六道さんはお経を唱えながらそう言う。
「う、うがっ!目が!!目が見えない!!身体も動かない!!」
千代川会長はキッと睨みつけて
「六道!なにをしている!?」
と、低い声で言った。
「皆を解放しなさい、会長。さもなくば…!!」
「!!!」
もう片方のボディーガードにも異変が起こった。
口をおろおろ動かしているが、どうやら言葉が発せなくなっているようだ。
「ど、どういうマジックだい?六道。」