超企業
「そちらが命を奪うのならば、こちらもそれ相応で返すということです、会長。」
六道さんは殺気満ちた表情でお経を詠唱する。
二人のボディーガードはついに腰を下ろしてしまった。
「お、おい、お前たち!なにをしているんだ!」
動揺している会長に六道さんはいう。
「その二人はもう目も見えないし、耳も聞こえません。片方はもはや言葉もきけない。分かりますか?会長。」
千代川会長はハッと、感じた。
「五感を奪っているだと?」
「そう、心理的攻撃です。あなたとは違い直接手は下しておりません。さあ、みなさんを解放するのです!」
ばしゅ!!!
そんな衝撃が走ったかのように思えた。
ボディーガードの一人はまるで死んだかのように倒れふせてしまった。
「か、かぁいち、ょう…!」
一人のボディーガードはまだよだれを垂らしながら耐えていた。
「ひとりは生きる屍のようになりましたね。さあ、あなたも天罰を受けなさい千代川!!」
カッと六道さんの目が開いた。
クスクス…。
「いやだね…。」
そう言うと、会長は内ポケットから拳銃を取り出した。