超企業

「ちょ!ちょっとあんた!勝手に人の部屋上がんないでよ!」 



龍崎は顔を真っ赤にして叫んだ。



顔色が青色から赤色になっているのが少しおかしかった。



「だって、あいてたから。」




榊原さんは相変わらずのポーカーフェイスでいる。



「それに、あなたも秋山君の部屋に上がってるじゃない。」




榊原さんに言い返すように龍崎は言う。



「あたしはちゃんとノックして入るわよ!あんたと違ってね!」



榊原さんは無視して僕の方へ目を向けた。




「さあ、いくわよ秋山君。」




僕はそう言われると、さっと立ち上がった。



龍崎はお茶を一滴も飲むことなく、ズンズンと部屋をでていく。




「秋山!今度からは鍵閉めなよ!その女いつ入ってくるかわかんないからね!」





良かった…、あいつ元気になったみたいだな。





「ごめん、榊原さん。」




僕はなぜか謝っていた。




「何で謝るの?」


 


確かに、僕が聞きいくらいだった。





「答えないなら仕事いくから、準備してくれる?」






何でこの人はこんな常に冷静なんだよ…。



僕は少し悔しくなりながらさっさと支度してしまった。





龍崎、大丈夫なのかな。



あいつ、誰と組んで仕事してるんだろう。





この仕事で唯一の救いなのが頼りになるこの榊原さんだった。





彼女は常に冷静で、死ぬことなんてこれっぽっちも考えてない様子でとても頼れる存在なのは確かだからだ。
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