超企業
八時になる前に、僕は約束の雲の間についた。
雲の間には会長がいた。
「やあ、おはよう秋山君。」
と、屈託のない少年の笑顔で会長は挨拶してきた。
「おはよう…ございます。」
僕はぎこちなく挨拶し、用意された椅子に座った。
目の前の会長が恐ろしい、そして許せない。
でも余計なコトを言えば僕も殺されてしまいかねない、そう思って何もいわなかった。
間もなくして、榊薔薇さんも入ってきた。
「おはようございます。」
「おはよう榊薔薇君。」
榊薔薇さんは昨日と同じく心のないような冷静さで椅子に座った。
「あはは、二人とも緊張しないでさ。初日だから仕方ないけどリラックスしていこうよ。」
会長がそう言ったとき、僕はどうしようもない怒りと虚しさに襲われたものだ。
「会長、仕事とはなんでしょうか?」
榊薔薇さんが質問する。
「真面目だね榊薔薇君、もう本題に入るのかい?せっかくだから秋山君と一緒に語ろうよ。しばらくその二人で事業を行うんだからさ。」
え!?僕が、榊薔薇さんとタッグで働くの?
どう考えても合わない組み合わせでしょ…。