超企業

「かまいませんわ。秋山君、どうせすぐに死んじゃいそうですし。」



榊薔薇さんは少し微笑んでそう答えた。





「あはは、死ぬだなんて、朝から物騒な冗談言わないでよ。」




会長は笑顔のままそう言った。




「あの、会長。」




僕は気づけば口を開いていた。



「ん?どしたんだい秋山君。」




「今日ニュースでみたんですけど、解雇された三人が亡くなりましたよね…??あれは、うちの会社となにか関係が?」



僕はなんて命知らずな質問をしているのだろう。




しかし会長は笑顔を絶やさず答える。


「いやー、秋山君情報が早いんだね。その件については僕もよくわからないんだ。ひょっとしたらさ、クビになって絶望して自殺してしまったのかもしれないね。」





僕は、椅子を立ち、会長の胸ぐらをつかんだ。




「そんな、そんな無責任なことがあるかよ!木津地君は、お父さんのために頑張って働こうとしてたんだぞ!!」




「ちょっと、離してよ秋山君。僕は関係ないよ。ルールを無視したら解雇というのは事前に説明したでしょ?」




「お前のいう解雇は、死を意味してるのか!?」




僕がヒートアップしていると後ろから榊薔薇さんに止められた。




「やめましょう秋山君、あなたまで殺されかねないわよ。」




「くっ!」



僕は頭を冷やし、会長を離した。





「申し訳ございませんでした…。」




僕は会長に一礼した。


クビになったかもしれない、そう思った。




「いや、いいんだよ秋山君。僕はアットホームな企業を目指してるからね!喧嘩くらい起きる方がちょうどいいのさ。」




全然なんとも思っていないその様子にまた腹が立つ。


もう、いっそめちゃくちゃ怒られてクビになり殺されたほうがまだスッキリするかもしれない。
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