超企業
「じゃあ分かり合えたところで本題に入ろっか。今回はその自殺についての事業なんだけどさ。」
自殺についての…事業?
「昨日自殺で見つかったのはその三人だけじゃないのさ。ほら、内閣の野党の人も自殺してたでしょ?今日はその現場にいってほしいんだ。」
い、意味が分からない。
「会長、それって、どういう仕事なんですか?」
僕がそう聞くと会長は答えた。
「え?内容は簡単だよ?その現場に行ってさ、自殺を他殺に変えてきてほしいんだ。」
な!?自殺を他殺にかえる!?
と、そのとき榊薔薇さんが口を開いた。
「会長、それは捏造ですか?それとも本当に殺人事件だったのでしょうか?」
パチッと指を鳴らして人差し指を榊薔薇さんに向けて会長は笑顔で答える。
「いい質問だね榊薔薇さんっ!今回の事件は隠蔽さ、君の考えてるようにね。だからさ、この事件が片付く前に他殺であったことを世間に知らしめてほしいのさ。このまま隠蔽で終われば君たちはクビ。分かったかい?」
会長の笑顔は不気味に光り、強い波動のようなものを感じた。
「そ、そんなの、警察がする話じゃないですか!!」
「あは、馬鹿だなあ秋山君、警察が犯人とグルだからできる隠蔽でしょ?だから意味ないんだよそれじゃ。けどこのグランドクロスは違う。とりあえず現場にいって手帳変わりにそのスマホ見せれば操作の協力はさせてくれるよ。まあ、三日以内にやらないと隠蔽に終わりそうだからそれくらいが期日かな。二人とも頑張ってね。」
頑張ってねって…。全然考えてた事業と違うんだけど…。
「ねえ、いくわよ秋山君。」
立ち上がってそういったのは榊薔薇さんだった。
「現場はここから遠くないわ。車で15分ほどの別荘よ。」
「榊薔薇君、まさかもうニュース知ってたのかい?」
「はい、今朝伺いました。」
「君はやはり一番すごい人材なのかもね。ふふ…。」
僕達は一礼し、その部屋を出た。