超企業
僕は飲み会とかで飲んでいたお好みのカクテルを注文し、グラスを手にとってそのバーを歩いた。
「あら、いらっしゃい。」
僕は少し驚いて、その声のする方へサッと首を動かした。
聞いたことのない女性の声だった。
その女性は、奥のスロットのコーナーから姿を現した。
「君は、確か…。」
「はじめまして、七色ネオンです。」
七色ネオン、そうか、この企業の社員じゃないか。
確か趣味はパチンコとスロットというふしだらな趣味の女だった。
「そんなマジマジ見ないでよ。えっと、キミは誰だっけ?」
クスクス笑いながら、七色さんはきいてきた。
「秋山、秋山ラットだ。」
彼女はギャルでも清楚でもないただのダメ人間というイメージがあった。
だって現代においてパチンコなんて馬鹿のする事だと思っていた。
僕も大学入りたてのときは一時期ハマってお金をドブに捨てていたっけ?
「ねえ秋山君、一緒にスロット打たない?ここAタイプのスロットしかないけど(笑)」
Aタイプ…か。
僕はスロットを見ると、普通のパチンコ店に置いてあるメーカーの台が並んでいた。
「賭け金とかいらないの?」
僕はふざけて質問してみた。