超企業

すると、七色さんはまたクスクス笑いながら答えた。



「賭け金はいらないけど、その社員手帳のスマホを当てると作動できるわ。」




僕は試しに七色さんの隣の台に触れてみた。



ピコン、ガシャン!と、保留メダルのランプが作動した。




「あれ、秋山君やり方しってるの?」




「う、うん、大学一年生のときに少しだけね。」





「あ、気をつけて?マイナス収支になると仕事提出期限が1日減るんだって(笑)」




それを先に言えよ!!!





「ええ!?僕もう始めちゃった!?」



「うん。今マイナス50枚だね。」




七色はずっとクスクス笑っている。





この人、絶対性格わるい!



ふざけるなよ、ただでさえ意味不明な仕事なのに!!




「怒らないでよー、ちゃんと勝ったときの特典もあるんだからさー。」





勝ったときの…とくてん?





「収支プラス500枚につき期限が1日伸びるの。どう?素敵なゲームだと思わない?」




この人、普通じゃない。
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