With 〜十字架と白薔薇〜





「菜々だってわかってるよ!?

でも!!でもね!!

みんなだって隼斗様のこと見れば
ぜっっっったいに納得する!!

あの人の瞳に見つめられたら…

誰だって吸い込まれるよぉ。」





はぁ…と肩を下げる菜々。





少女漫画の世界にでも入り込んだのかなってぐらい、更けていた。




「私にはわからないな。
見ただけで好きとか、
吸い込まれそう!とか。」




私は冷静に言った。




すると、菜々はバッと立ち上がる。




「梨緒奈は隼斗様のこと見てないじゃない!第一、恋愛なんてしたことないくせに!わからないの前に、わかるわけがないの!梨緒奈には!馬鹿にしないで!」





「なに?喧嘩売ってる?」





「も…も、も、もう!知らない!」





バンッ!!!!





< 28 / 127 >

この作品をシェア

pagetop