With 〜十字架と白薔薇〜
リビングに入ると
かぼちゃの匂いがした。
「莉緒奈ちゃん来たの?
こっちにきなさい、用意してるから。」
美智子さんにそう言われ、
テーブルに足を運ぶ。
用意された料理は
とても美味しそうだった。
「今日はかぼちゃですか?」
「そうよ。季節は秋ですから。」
「おいしそうですね。」
「味には自信があるわよ?ウフッ」
確かに美智子さんの料理はいつもお店みたいで美味しい。
本当は毎日こんな料理を用意してくれてるんだと思うと申し訳ない。
でも、美智子さんの料理は完璧すぎて
温もりっていうものがなくて
ここでも壁を感じるんだ。
私たちの会話もぎこちない。
とても親子の会話ではない。
気を使うのも疲れた…
けど、慣れた。