With 〜十字架と白薔薇〜
ガチャ
「帰ったぞー。」
「あら、お父さんだわ。」
美智子さんは慌てて席を立ち、
玄関までお父さんを迎えに行った。
お父さん…というか
健一郎さん。
健一郎さんはネクタイを緩めながら、リビングにやってきた。
めずらしくテーブルでご飯を食べていた私と目が合い、驚いてたいた。
「莉緒奈ちゃんもいたのかい!
いやー、今日はなんだかいい日だな!」
「そうですね!」
美智子さんは、スーツやカバンを自分たちの寝室に置きに行きながら言った。
「おかえりなさい、健一郎さん。」
私も席に立ち、頭を下げる。