不死鳥
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「到着!」
俺たちは
学校から10分の距離にある海岸に来てた。
「わーい!」
「走るの禁止!海に入らない!」
心臓が弱いんだから
それくらい我慢してくんねーと・・・
「えー・・・ッ!」
しばらく黙り
いきなり走り出す夕羅。
「待てっ!」
---バシャン
「夕羅!」
--バシャッ
「プハーッ!気持ちいー」
「入るなって行っただろ!」
心配して少しきつく怒る。
「ねっ?元気でしょー??大丈夫だよ!」
そう言って夕羅はニコッっと笑った。
「はぁ・・・」
「ねぇー!約束覚えてる?」
「約束??」
「テストで90点とったら言うこと聞く!って約束!」
「あぁ・・・95点だったんだっけ?」
「うん!!」
「お願い事って何?」
「んー」
「考えてないのかよ」
「じゃぁ、キスしてください。」
「え?」
「今の、勇気出していったのになぁ」
「・・・」
「ちぇー。髪の毛ボサボサ」
--バシャバシャ
夕羅の元へ歩み寄る。
そっと髪ゴムをはずしキスをする。
「・・・?!」
「夕羅・・・?もう無茶するなよ。辛いときは辛いっていえよ?」
「・・・ッ」
「お願いだから、もっと頼れよ。」
「・・・・ッ誰のおかげで今まで楽しいって生きてると思ってんの?瑠李君のおかげなんだよ?誰のおかげで」
涙を流しながら
夕羅はそう言った。
--バシャンッ
目の前で水しぶきがおこる。
その後のことはよく覚えてないんだけど
ひとつ覚えていることがある。
君が最後に残した言葉。