不死鳥
『なんで生まれてきたのだろう・・・』

毎日そうおもっていた。
何年か前まで
幸せだったのに
そんな幸せは
一瞬で消えた。

『お母さん・・・』

喧嘩をしているクラスメイトを見たら
涙が出てきた

「冠野さん?」

涙を流している私に
一人の子が声をかけてきた

「何で泣いてるの?」

「・・・」

「ねぇ」

「・・・」

「答えろよ!!!」

答えない私にムカついたのか
大きな声で怒鳴りだした。

「・・・。」

私は紙にこう書いていった

『ごめんなさい。
しゃべれないの。』

いままで
どんなに「答えろ」って怒鳴られても
答えなかったのに
なぜか手が勝手に動いていた。

「は?」

『神経的ショックで声を失ったの。
小5の時』

「そうなんだ」

『うん。』

「怒鳴ってごめん」

『いいの。慣れてるから。』

「冠野夕羅」

「?」

「有名だったよ。」

『なんて?』

「話さない子・・・」

『そっか』

「でも、ちゃんと理由あるんだな。」

『うん。でもね、貴方にしか教えてないの』

「なんで?」

『怖いから・・・。喧嘩をして・・・何にもおもわないから・・・。』

「そっかー。でも何で俺は平気なの?」

『何でだろう・・・』
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