不死鳥
「冠野さんって、何処高だたの?」
「冠野さんは好きなアーティストいる?」

休み時間
冠野は質問攻めだった。
「さん付けなくていいよー?」
「わかったー!冠野って何歳?」
「アハハ!おもしろーい!なんて名前?」
「俺ね、矢沢優っていいまーす♪」
「じゃ優くんでいい?」
「ぜんぜんいいですっ」
『アハハ』
そんな会話を横から聞いていた。
「ねー。瑠李くぅん?」
「うわっ!?」
「ブッ!だっせー」
「うっせーな!気持ち悪い声だすなよ優!」
「うわっ!傷ついた!」
「しらねぇよ。」
優を無視して屋上に行った。


--ガチャ
屋上は透明の屋根がついていて
雨の日でも来れるようになっていた。
「こんな無駄な・・・」
透明の屋根
ベンチ
パラソルつきテーブル
売店
本当に無駄な物ばっかりだ。
売店なんかお菓子しか売ってないし・・・
「はぁ・・・」
ため息をつきベンチに座る。
「不死鳥かぁ・・・」
そう考えているといつのまにか眠りについていた。


「・・・んんー」
--キーンコーンカーンコーン
目が覚めるとチャイムがなった。
「何時間目だろ・・・」
授業に出るのも憂鬱で
空をみていた。
「すごーい!」
後ろから声が聞こえる。
「佐々木君?今6時間目だよ?」
「うわっ!!」
「フフフ・・・びっくりした?」
「冠野・・・お前平気?体調」
「うん。死んだと思ったら生きてた。みたいな・・・」
「ガン直ったの?」
「多分平気。」
「無理すんなよ・・・」
「あれー?喋れるようになったことびっくりしないの?」
ビックリしてるよ。凄く。
「まぁ・・・?」
「微妙な答えだね・・・」
「まぁな。元気だった?」
「うん!リハビリしてたら喋れるようになったの!」
「そっか。」
その日
下校時間まで他愛のない話をしていた。
「下校時間になりました。まだ----」
「帰るか・・・」
「・・・」
「冠野?」
「夕羅でいいよ。夕羅って呼んで!」
「あ・・・あぁ・・・」
「じゃ!帰ろっか」
「あぁ。」
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