この運命を奇跡と呼ぶならば。
「おはよう、桜君。昨日はお疲れ様。ホントに、土方さんも過保護過ぎるよ。」
「まぁ、そういうなよ。総司。土方さんもお前が心配で言ってるんだからよ。」
永倉が諌めるが〝むぅー〟と、唇をとがらせる総司に桜が聞いた。
「総司。お前、怪我とかしてないか?」
「え?してないよ。いきなりどうしたの?」
「いや、何でもない。それより、平助は起こしたほうがいいんじゃないか?」
桜の急な質問に驚きながら聞き返すと桜は言葉を濁し、話題を変えた。
(この後に及んで何を躊躇ってるの…?)