この運命を奇跡と呼ぶならば。
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しばらくすると、斎藤が山南さんを連れて入って来た。



「どうしたんですか?皆さん、そんな緊張した面持ちで…?」


そうして辺りをぐるっと見渡すと平助で目をとめて土方と同じように目が驚きに染まった。

「あれ…藤堂君、額の傷は…どうして?」


「山南さん、その説明は後ほど。







…私は皆さんに謝らなければなりません。」



桜はそう言うと深く頭を下げた。すると、土方は眉間に皺を寄せてひどく不可解そうな顔をした。


「それは、どういう意味だ?」



「私は皆さんを騙しておりました。」


「騙していた?それは…どういう事だ。」




「私は…“女”です。」
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