この運命を奇跡と呼ぶならば。

「はっ…!?乙宮君、君は女子なのか?」


桜がそう言った時の反応はそれぞれで、近藤さんは驚いているし、土方は眉間の皺が一層深くなっているし、山南さんが一番落ち着いているだった。その他の者は既に知っているのでソワソワして入るが特に反応もなく、桜は依然として頭を下げたままだった。










「…桜、なぜ。なぜ黙っていた…?」




最初に口を開いたのは、土方だった。それに対しまだ頭を下げたままの桜は答えた。



「私が女であれば、周りの人間を…不幸に堕としてしまいます。」



(…あぁ、私…)



…ポタポタ


畳の上に涙が落ちる。



「桜ちゃん、泣いてるの…?」
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