この運命を奇跡と呼ぶならば。
「それ、俺は聞こえなかったぞ。」
「あぁ、俺もだ。」
「そうだろうね、凄く小さな声だったから。」
永倉と原田の“聞こえなかった”ということに関しても沖田が説明した。
「僕らが知っているのは此処までです。さ、僕は桜ちゃんが心配なので部屋に戻りますね。」
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部屋へ戻った沖田は桜が寝ている横に座って慈しむ様に目を細め頭を撫ではじめた。
「桜ちゃん…。君の闇はどこまで深いのかな…」
そうしていると桜が寝言を呟きながら涙を流し始めた。
「は…る…どこ…ぃ…の…?…ぉ、いて…か、な…で」
「春…?大丈夫だよ、僕らは何処にも行かないから。」
桜の手が宙をさ迷っていたので沖田が手を握ると安心したようにもう一度スヤスヤと寝息を立て寝た。